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花鳥諷詠ドリル ‐主宰の句評‐ 第50回 (平成17年11月11日 席題 八手の花・鷲)

見つめればこれも花なり花八手

 こういう作り方があるんですね。これも花なりと言われてみれば、そうかなと。この句のいいところは、「これも花なり花八手」の花の音の繰り返しに、ある気分がある。と思われました。

稲雀風にさからひ飛び立てり

 これ、うまいですね。どちらから飛んだっていいんだけれど、風に逆らって舞い上がった時には、稲雀の形が全然違う。煽られて、雀の形が乱れてしまっているんでしょうね。そこにある哀れがあって、なるほどなと思いました。

点々と猫の足跡冬廊下

 「冬廊下」はちょっとつらいんだけれど、あら、どこから上がってしまったのかしら。と、舌打ちする感じはよくわかります。そして、冬廊下ということで、磨かれて、よく拭き込まれている廊下だってことも、よくわかります。

シャンソンの教室いでて小春かな

 これもいいですね。いかにも日本らしい小春という季題と、シャンソンの教室があるというところで、パリにも小春なんてあるのかなあと思いながら歩いているという感じもすると思います。

冷ややかにイサムノグチの石ひかる

 最近どっかで展覧会をやってましたね。なるほど、今までになかった日本人離れしたフォルムみたいなものが、「冷ややか」という捉え方になるんだろうと思いました。

工場を定時に上り田を植うる 祐之 (泰三)

 一気に寒くなりました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

  季題は田植。兼業農家の暮らしの一こま。定時は5時か5時半ぐらいか、初夏の空はまだまだ明るい。工場には残業している人もいるんだろうが、この人は定時に上がり、そして先祖伝来の田を植える。田んぼも工場の直ぐ近くにあるんだろう。そういえば、工場は田んぼに囲まれている。そんな景色と暮らしが見える句だ。