ただ楽し 本井 英
触れらるること待つてゐる含羞草 含羞草眠れば覚むるとも見えず 波乗の膝のやはらか波抑へ 銀漢や灯りてくらき海図室 明るさを抱き流るる天の川
岸釣の竿の長さぞ頼母しき 章魚釣りの立ちまじりをる根釣かな 島径も高みにかゝり葛の花 月明や大江山ならあのあたり 月の友妻に逝かれしもの同士
曼珠沙華明日明後日は咲かんずる 村空や運動会の楽ながれ 日にぬくみ運動会の大太鼓 老の目に運動会のただ楽し 糸芒かな雨が触れ風が触れ
三つ巴解けて巴や秋の蝶 浜木綿の実とてつるりとてらりとす 鯊釣るに渓流竿を持ち出して 鯊釣るる誘ひかければたまらずに 鯊釣れしとき二三言かはしをり