藁塚の影なが〳〵(なが)し尾のごとし 藤永貴之(2013年10月号)

 季題は「藁塚」。地方によって、形がいろいろあるというが、真ん中に心棒を立てて、それを囲むように「塚」にしたものが私の頭には浮かんだ。すっかり刈り取られて、真っ平らになった田圃の真ん中に、ぼそっと立っている「藁塚」。その姿を「じーっ」と見ていた作者に、ある瞬間「藁塚」から東の方向に長々と伸びた「夕影」が「藁塚」の尻尾のようにも見えたのである。例えば栗鼠とか兎が蹲っていて長々と尻尾が伸びている、そんな姿ではなかろうか。ひとたび作者に「そう」見えてしまった「影」は、もうそれ以外には見えなくなる。作者はその時ニッコリと微笑んだことであろう。(本井 英)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください