大波と小波とあつて虫の声 昌平 (泰三)

 季題は、「虫」で秋。秋の夜に聞こえてくる、虫たちの声である。涼しい中、聞こえてくる声は美しく。いつまでも聞いていたいものである。

 さてこの句。理屈で言えば、音波である。しかし、この句は、虫の音が、大波や小波が寄せ来る音のようにあたかも虫の音が聞こえた様を、感じたとおりを句にしたのだろう。なるほど言われてみたら、たくさんの虫が一斉になく「大波」もあれば、少ない虫が声を合わせている「小波」もある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください