男らの手ぶらの散歩山法師 秋 (泰三)

 秋が深まって来ました。寒がりの私はもう厚手の蒲団を用意しました。皆さんはいかがお過ごしですか。

 

 季題は山法師で、山野に自生する夏の花である。

 この句。男達がぞろぞろと歩いている。手ぶらである。俳人やご婦人方であればそうはいかない。俳人であれば、句帳や辞書、最近は電子辞書なので極めて軽いので助かるのだが。また、筆記用具を持たなければならない。森澄雄氏などは、現場では句は作らず机に戻って書いたらしいので、手ぶらであったのかも知れないが、我々写生派は手ぶらなどありえない。ご婦人方もちょっとした散歩の際にも何やら持ち歩いているものだ。

 先にも書いたが、この集団は手ぶらでぞろぞろ歩いている。何とも潔いその姿が、山法師という無骨な名を持つ花と響き合う句だ。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください