膝たたみきりんの休む春の昼 なな (泰三)

 汐まねきの更新をサボりがちで申し訳ないと思いつつ、また遅れてしまった泰三です。本当にすいません。

 季題は、春の昼。角川歳時記では、春昼(しゅんちゅう)の傍題としてあげられる。

 動物園の風景であろう。動物園の動物たちは、だいたい一年中、寝そべっていたり、坐っていたりと活気はない。この句のきりんもまた坐っているのである。ただその様を「膝をたたみ」と写生した。なるほど言われてみると、きりんは長い足の膝をたたんで休んでいる。しっかりとした写生句は、やはり強い。

 けだるい春の昼の動物園の様子が目に浮かぶ佳句である。

 

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