季刊「hi→」第5巻(2011年秋の号)_(杉原)

季刊「hi→」第5巻(2011年秋の号)

 今回も句集から離れ一風変った冊子(zine)をご紹介します。

季刊「hi→」は、衣衣、楢山恵都、西丘伊吹、日々藍子の4名で出されている「zine」という形態の冊子。

その目的はHPによると、

「[hi→]はあなたのおうちやお部屋のどこかにひっそりと季節の変奏曲を奏でている、そんなものであればいいなと思っています。
四季折々の言葉を入れながらシーズナブルにお届けしていきたいと思っています・・・。」

とある。

 

「hi→」第5巻2011年秋の号

女子三人組ユニットが運営する「spica」でも、伊吹さん、恵都さんが10月の「よみあう」コーナーに登場しています。

http://spica819.main.jp/yomiau/3397.html

 

此処に出ている写真を見てください。そうです伊吹さんは、慶大俳句でお馴染みのあの方でらっしゃいます。

「hi→」メンバーは、ファッション雑誌「SPUR」12月号に俳句とファッションのコラボレーションに登場されたりするなど「外」へ向けて発信する活動を精力的に行われています。

「SPUR」12月号(集英社)
http://dpm.s-woman.net/spur-jp/201112/mokuji.html?page=2

 

第5巻では、それぞれの作品だけでなく、お互いの句を背景としたエッセイが面白いです。また、鬼灯市を吟行した際の句を一人一句並べ替え、それにエッセイを付けて「変奏」していく試みは大変興味深かったです。俳諧の世界に通じるものがあります。

 

一人一句紹介します。

・伊勢丹の空ほそながく鳥渡る 伊吹

・秋時雨手と足の爪赤く塗る 衣衣

・檸檬切り打ち明け話の代わりとす 楢

・チョコチップ買って眺める渡り鳥 藍子

 

 伊吹さん以外は、「hi→」の創刊に併せて俳句を始めたということもあり、初々しい俳句が並んでおり、「軽い俳句とのお付き合い」と言ったカジュアルな感です。

この後、この4人が俳句の世界に本格的に関わってくるのか、否か、俳句の世界に関わってくるときに、どのようなメディアを通じて関わってくるのか、大変興味深いです。

 

季刊「hi→」のHP

http://www.hi-ku.net/

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