主宰近詠(2025年9月号)

姉涼し     本井 英

竹床机軋む爆笑するたびに

帆綱ひき絞れば涼しすぎる風

忘れ果てしことのあれこれ姉涼し

駒草やひろびろ続く主稜線

水槽にトマト浮かべて登山口

啜り上げながらトマトを(トウ)べけり

夕凪の水面皺めて泳ぐもの

栴檀の緑蔭にして明るさよ

炎天に浪の意匠の二天門

氷川丸を訪れてをる揚羽蝶
操舵室の神棚の紙垂涼しけれ

氷川丸涼し虚子ありき杞陽ありき

   小諸日盛俳句祭 七句
夏山に吸ひよせられて来し麓

山国や緑蔭あれば風通ふ

泉辺や映りをるとも知らず佇ち

虚子庵の縁の下なる蟻地獄

語り伝へて虚子庵の紫菀これ

虚子散歩道の片蔭とぎれく 

JRバスに抜かれて夏山路


満潮の平らかに充ち青田べり

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