主宰近詠(2025年4月号)

三千風忌   本井 英

枯れ枯れて色のぬけたる烏瓜

リヤカーの立てかけてある落葉かな

彼の訃を新年会の人伝に

アロエ咲かせ防潮堤の内に棲む

枯芝に下萌滲みそめたりな

トンネルで潜りせし木の芽山

梅の蕾にうるうると雨雫

谷底の梅林に日の及びそめ

梅林の日溜りに額焦がしをり

目白来てわが梅ヶ枝ととりすがり


そこいらにぱらりぱらりといぬふぐり

野焼の火点けてまはりて上機嫌

春水や躙り下りて奏でたり

けふばかり賑はふ堂宇針供養

針供養果て境内は残照に

三千風忌西上人も臠はせ

思ひ出づる時彦秞子三千風忌

熨斗蘭の実とよ掌あたたかき

漕ぐやうに菠薐草を茹でにけり

麗かや高架電車はことさらに

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