課題句「山雀」 矢沢六平 選 山雀の名前覚えてより親し 天明さえ 山雀のいつも見上げてゐたるかな 小沢藪柑子 山雀の首かたむけてゐたりけり 永田泰三 山雀や伊香保温泉飲泉所 前北かおる 山雀の頭でつかちとも見ゆる 児玉和子
課題句(2022年10月号)
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課題句「山雀」 矢沢六平 選 山雀の名前覚えてより親し 天明さえ 山雀のいつも見上げてゐたるかな 小沢藪柑子 山雀の首かたむけてゐたりけり 永田泰三 山雀や伊香保温泉飲泉所 前北かおる 山雀の頭でつかちとも見ゆる 児玉和子
課題句「雨月」 井上 基 選 姨捨の闇の深さや月の雨 岩本桂子 新聞記者参加したるに雨月かな 歌舞伎座のはねて銀座の月の雨 町田 良 不祥事の始末をけふも月の雨 杉原祐之 棋譜並べ探る敗因雨の月 木代爽丘 漆黒や湖の雨月に目をこらし 本井 英
課題句「溝萩」 髙橋庸夫 選 溝萩の咲くや帰郷のままならず 前田なな 飛び〳〵の溝萩明り母訪はな 父母偲びつつ溝萩を手折りたる 江本由紀子 暮れてゆく田に溝萩の色残る 藤田千秋 溝萩の赤紫の揺れ通し 児玉和子 溝萩のこぼれ湧水奔る町 近藤作子
課題句「ハンカチ」 今井舞々 選 差し出せるハンカチーフを借りまどふ 岩本桂子 ハンカチや恋の手段の一番手 田口松柏 ハンカチを差し出す男受く女 根岸美紀子 ハンカチをそつと差し出す人のゐて 岡部健二 さりげなく出すハンカチの所作に惚れ 園部光代
課題句「河骨」 武居玲子 選 河骨や何か跳ねたる水の音 山内裕子 沼舟の波河骨に消えゆけり 河骨の葉のつやつやとして開花 小沢藪柑子 河骨の黄の明るさに空も亦 原 三佳 河骨や水鏡にも力づよ 藤永貴之 河骨の蕾こつんと黄を兆し 本井 英