課題句」カテゴリーアーカイブ

課題句(2024年10月号)

課題句「松手入」       磯田和子 選

松手入空の青さを引き寄する		清水 満
ボートより御苑の松の手入かな

ためつすがめついまだ終らぬ松手入	児玉和子
掃くばかりの庭師見習ひ松手入		木代爽丘
唐崎や比叡澄みわたる松手入		足立心一
手入れ済みし松の大きく息をして	冨田いづみ

課題句(2024年9月号)

課題句「草の花」   飯田美恵子 選

ここに又ローマの遺跡草の花		礒貝三枝子
発掘の円形劇場草の花

道すがら地蔵に手向け草の花		遠藤真智子
子規庵の十坪の庭の草の花		塩川孝治
幼手の母に摘みたる草の花		田中幸子
売地てふ札見え隠れ草の花		山本道子

課題句(2024年8月号)

課題句「南瓜」            天野明雀 選

子が乗れば南瓜たちまち金の馬車	井上 基
国敗れ三食南瓜日々南瓜

南瓜買ふ二人暮しに半分を		山口照男
煮ようかしらいやポタージュに南瓜手に	津田祥子
南瓜煮や三日に一度卓袱台に		原田淳子
鋼の刃ぐさりと入れて大南瓜		梅岡礼子

課題句(2024年7月号)

「道をしへ」         山本正紀 選

這 うてをるときは見えねど道をしへ	渡邉美保
奥宮の磐座に消ゆ道をしへ   

道をしへ独り歩きの道連れに		塩津孝子
道をしへ派手な背中を賜りて		馬場紘ニ
並びゐて腰高なるよ道をしへ		本井英
防人の碑の先は海道をしへ		天明さえ

課題句(2024年6月号)

課題句「鮎」         田口松柏  選 

水に足鮎釣人の遠きかな        青木百舌鳥
()(ワガ)ね鮎玉網に仕上げたる
喰み跡を確かめて鮎釣り始む      児玉和子
鮎の村に今日はも臨時駐車場      本井 英
鎌倉の川に苔食む鮎の群        松尾青柚
解禁の前夜の宿の鮎談義        井上 基