人日の机ひろびろありにけり 天明さえ 人日の畑へ少しの菜と草を 人日の朝に重たきニュースかな 釜田眞吾 人の日となりて曜日を確かめぬ 原 昇平 人日や子も孫達も恙無く 牧野伴枝 人の日や粥に玉子の一人居の 羽重田民江
課題句(2024年1月号)
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人日の机ひろびろありにけり 天明さえ 人日の畑へ少しの菜と草を 人日の朝に重たきニュースかな 釜田眞吾 人の日となりて曜日を確かめぬ 原 昇平 人日や子も孫達も恙無く 牧野伴枝 人の日や粥に玉子の一人居の 羽重田民江
課題句「咳」 原 三佳 選 看取りの娘咳こぼしつつ足早に 故岩本桂子 星きれいと戻りつ咳を二つ三つ 黒板を消し窓を閉め咳ひとつ 田中 香 咳ひとつ闇に吸はれてしまひけり 財前伸子 鉤の手に曲がりし書架の奥の咳 本井 英 老医師も患者も共に咳きにけり 近藤和男
課題句「柊の花」 石本美穂 選 夕まぐれ柊の香に戻りたる 三上朋子 三味線の音や柊の花こぼす 柊の花や玉の湯営業中 飯田美恵子 つまみあげてのひらにのせ花柊 天明さえ 柊の花門柱は大谷石 児玉和子 割烹や柊の花客を寄せ 本井 英
課題句「新松子」 田中金太郎選 新松子磯馴れの松も減りにける 児玉和子 東海道品川宿の新松子 松陰の墓所に青々新松子 山口照男 新松子灯台までの岬みち 井上基 手の中にそっと沈めん新松子 磯貝三枝子 新松子街道筋の黒塀に 大山みち子
課題句「水澄む」 釜田眞吾 選 比叡八瀬滔々洛中水澄める 岩本桂子 御僧は留守看脚下水澄みて 水音に耳を澄ませば水澄めり 山内裕子 何処やら澄む水音と樹々の影 伊藤八千代 水澄める街のスナック客また来 青木百舌鳥 里人の清水(ショーズ)と称へ水澄めり 本井 英