日曜日になりました。あと休みが一日しかないと思うと切なくて夜もねむれません。
これが堪えて月曜日いきなり遅刻してしまったりする杉原です。
さて、例によって他誌への投稿記事の紹介で恐縮ですが、
「週刊俳句」10月2日号に「週俳の9月号を読む」と言うテーマで実に緩い鑑賞を載せております。
枕で[「夏潮」10月号鼎談での英主宰の「愛国詩」発言を引用をしております。
ご一読の上、叱咤激励を下さい。
http://weekly-haiku.blogspot.com/2011/09/9.html
日曜日になりました。あと休みが一日しかないと思うと切なくて夜もねむれません。
これが堪えて月曜日いきなり遅刻してしまったりする杉原です。
さて、例によって他誌への投稿記事の紹介で恐縮ですが、
「週刊俳句」10月2日号に「週俳の9月号を読む」と言うテーマで実に緩い鑑賞を載せております。
枕で[「夏潮」10月号鼎談での英主宰の「愛国詩」発言を引用をしております。
ご一読の上、叱咤激励を下さい。
http://weekly-haiku.blogspot.com/2011/09/9.html
北川あい沙句集『風鈴』角川マガジンズ
北川あい沙さんの第一句集、284句を収録。北川さんは1965年東京都生。30代半ばで俳句を初め、今井杏太郎に師事、「魚座」入会。「魚座」終刊後「雲」同人。現在は無所属。
2004年には、第7回「魚座」新人賞を受賞。
直接作者を知るわけではないが、如何にも師の今井杏太郎氏、同門の鴇田智哉氏の句風である、「薄薄」と「淡淡」とした雰囲気で、一句に広がり、含むを持たせ詩情を発揮することが巧みな方だと思った。
よって、類型的な言い回しの句も幾つかあった。「夏潮」でも如何にも上手いという句は、「含みのある」類型的な句であることが多い。そういう句を句会後の自選でどのように取り扱うか。結局句集として自分の句をまとめると言うことは、そういうことが大事なのであろう。
・朧夜の運河にかかる橋ふたつ あい沙
季題は「朧夜」。運河と言われるだけである雰囲気がある。そこに「朧」と意味ありげな「橋ふたつ」。余り思わせぶりな句はいやらしくなるが、この句は徹底して重ねることで読み手を共感させることに成功している。
分りやすく具象的な景を詠んでいることも、共感しやすい一因であろう。
・いちじくを煮る日の窓の広さかな あい沙
季題は「いちじく」。不思議な雰囲気を持つ句。台所で無花果を煮ている、ふと見上げると今日は窓が広く見えた。窓の外の樹木の葉っぱが落ちたかもしれない。秋の日射しが一杯栗谷に差し込んできている。
「いちじく」と言う季題が非常に効果的。晩秋の家や庭の様子が想像される。
●「春」
前髪を切る音クロッカスの咲き
長閑なる空に楕円の観覧車
本棚に置かれて花の種袋
薔薇の芽にゆふぐれの色ありにけり
草を摘み草の匂ひの帰り道
風船の消えゆく空の夕暮れて
●「夏」
美しき耳のやうなり海芋咲く
鴨の子の水に浮かんでゐる軽さ
銀紙の裏よ表よ梅雨に入る
日に焼けてからだに海のあとありぬ
風鈴の音色はきのうふよりはるか
●「秋」
馬追のみどりの色に飛びにけり
十六夜の山に大きな木のありぬ
秋晴の沖の明るい海のいろ
手に持ちて葡萄は雨の重さかな
長月のガラスのやうな海のいろ
●「冬」
小春日の海のにほひの町のなか
空よりも庭の明るい十二月
極月の川の向うに街のあり
寒鯉の池はうすむらさきに揺れ
冬の日のあたつてゐたる机かな
(杉原 祐之記)
角川の『俳句』10月号、P88~ 山田真砂年さんが、先日の「小諸ひざかり俳句祭」で運行された、
「高原列車吟行」2日目の様子を取上げております。
(第1日目の様子は本「汐まねき」8月20日の記事で下名から紹介させていただいております)
その中で、2日目の列車に乗車された「夏潮」の皆様の句も紹介されております。
こちらにもご紹介させていただきます。
蛇行して夏野養ふ千曲川 富美子
一輌に二百余のホ句夏野行く 富美子
駅ごとに変る天気や秋近し さえ
おむすびをほおばる丘の風涼し 淳子
レタス積み下ろし濡れてゐるトラクター 百舌鳥
〆
信州諏訪『行き当たりばっ旅』吟行会
夏潮諏訪支部では、去る5月29日に開かれた支部総会におきまして、会員総数1名による全会一致にて、年1回~4回(不定期)の計画で吟行会を開催することを決定し、あわせて本井英主宰の承認を得ました。つきましては、第1回を来る10月23日(日)に行いますので、皆様どうぞ奮ってご参加下さい。
日程:10月23日(日)~24日(月) 1泊2日
集合:茅野駅10:07(スーパーあずさ5号 新宿8:00発)
解散:茅野駅17:28(スーパーあずさ28号 新宿19:35着)
吟行地:塩嶺峠の紅葉と虚子の句碑
または、蓼科の紅葉と虚子の句碑
または、御柱街道を歩く
宿泊地&費用:未定 1万2000円くらい
※黒潮世代の方の日帰り参加も可能です。(あずさ最終便 茅野20:25発 新宿22:36着)
吟行地および宿泊地は、参加人数や紅葉の状況などによって、変更になる可能性がおおいにあります。その意味を込めた吟行会タイトルだとお考えください。また、当日、行きたい場所があれば仰ってください。行程をどしどし変更致します。
<申し込み方法>
締め切り:10月1日(土) 日帰り希望の方も、その旨お知らせ下さい。
宛て先:矢沢六平さん宛に、電子メールでお申し込みください。
〆切1週間程度で旅程に関する案内を矢沢さんよりお知らせいたします。
アドレス:tomie.y@nifty.com
林誠司句集『退屈王』文学の森
林誠司さんの第二句集。林さんは1965年東京都荒川区生。「河」で活躍し、2001年に刊行した第一句集『ブリッジ』(遊牧舎)で第25回俳人協会新人賞を受賞。
現在は無所属で、月刊「俳句界」編集長を務めている。
ご本人も「あとがき」で記されている通り、本句集は林さんの30歳代中盤から40歳代中盤までの自分史、呟きの集大成。
その間に父君の死、俳人協会新人賞の受賞、離婚、子供との月1回の再会、離職・転職、病気入院・・・ などなど激動の身の上を淡々と季題に託して詠いあげている。よって、私的過ぎて理解できない句も見られたが、繊細な表現で心打つ句もあった。
鑑みてみると私もそろそろ、この句集の冒頭部分の年齢に近くなってきたこともあり、今後の10年間どのようなことが起こるか、この句集を読みながら考えさせられた。
また、林さんは「失われた20年」の前の繁栄を成人として知る最後の世代。都市に住み壮年から中年に差し掛かるその世代の人々の「心の歌」として本句集を読んだ。
・大和路にまぼろしの鷹渡りけり 誠司
季題は「鷹」。
第三章は「まほろばの鷹」と言う題で、大和地方で詠まれた句が固まっている。
この章だけ、「私性」は薄れ、悠久のまほろばの地に自らを溶け込ませたように、風物・景物を詠いあげている。その中で、「鷹」は随所に出てくる。
この句は象徴的な一句。「まぼろしの鷹」と「まほろばの大和」が掛り合いイメージが広がっていくスケールの大きな一句となった。
・すぐ笑ふ子供と夏を惜しみけり 誠司
季題は「夏惜しむ」。
この句は、離婚後月1回の会見日に子供と遊んでいる様子だろう。その会見日は第4日曜日のような月末に設定されているのだろう。
「夏惜しむ」と言う季題は、現代では本来の意味で言う7月末~8月頭と、夏休みの果てを意味する8月末の二つの意味を含んでいる。この句の場合は後者であろう。
●「風来」
ジャンパーの汚れは海がつけにけり
まつしろな海坂これが晩夏光
しわくちやの離婚届よ冬芒
歯ぎしりの顔の出てゐる蒲団かな(長男)
●「ヨコスカ」
子どもらは子どもと遊び桜貝
もう妻と呼べないひとの日焼顔(新潟へ 4句)
かたはらに吾子のをらざる遠花火
転職の汗のワイシャツ脱いでをり
お父さんの将来は冬かもめ冬かもめ(子に問はれて)
日焼して男臭さをもてあます
●「まほろばの鷹」
てぶらにてあゆむ峠や秋の風
おほかたの神を送りて夕焼けたり
倭国大乱羽とびちつて鷹の死す
修二会の火魂(たま)翔(た)つ空へかかげたり(東北太平洋沖地震の翌日)
涅槃図の大海のごとゆらぎけり
●「退屈王」
青嵐海いちまいをひるがへす
尻立ててゆくあをぞらの鬼やんま
愛されてゐてどつさりと九条葱
風光るところどころにレモンの木(伊予の国は蜜柑畑ばかりなれど)
海側のテラスにかけて遍路杖
父の日の風のネクタイ締めてをり
●「天上大風」
鷹渡る空にけがれのなかりけり
スタジアム越しの冬日をまのあたり
春の鷹おのが光をふりこぼす
原発のさびしからんと夏の月
「俳句界」編集部
http://editor.bungak.com/2011/09/post-173.html
林誠司さんのHP「林誠司 俳句オデッセイ」
http://blogs.yahoo.co.jp/seijihaiku/MYBLOG/guest.html
(杉原祐之 記)