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祐之 について

「夏潮」運営委員の杉原です。 平成二十二年四月に第一句集『先つぽへ』を出版

土曜吟行会~泉岳寺・三田寺町吟行 12月10日(杉原)

土曜吟行会~泉岳寺・三田寺町吟行 12月10日

 

10日土曜日は土曜吟行会でした。

私は、1月以来ほぼ1年ぶりの参加でした。

素晴しい冬晴れの下、14日の討入の日を前に香煙で充たされた泉岳寺を起点に、三田の寺町・坂道を吟行し、慶應義塾大学の「萬来舎」で句会。

納めの句会と言うことで、お茶とケーキの振る舞いがありました。

 

泉岳寺の松と冬紅葉

泉岳寺の松と冬紅葉。義士の墓地では「松手入」が行われていました。

 

お久しぶりです。

こちらの方もお久しぶりでした。相変らず肩の力が抜けた巧みな句を披露されていました。

 

三田の幽霊坂

これは、「幽霊坂」。このような坂を上ったり下ったりして、季題を探しました。

私は地形や家並みの興味が優先してしまい、理屈っぽい句ばかりになってしまいました。

 

土曜吟行会は、毎月毎月素晴しい宮川幸雄さんのアレンジにより、東京の裏側を知ることが出来ます。

次回は1月14日(土)、百花園を吟行します。スカイツリーも臨むことができるでしょう。

最寄り駅は東武線・東向島駅、半蔵門線から直通しています。

ぜひ、皆様もおいで下さい。

 

角川『俳句』年鑑2012年号_(杉原)

角川『俳句』年鑑2012年号

 

角川『俳句』年鑑 2012年号

若干ネタが切れているので、一息入れて年鑑を紹介します。

 

おなじみの年鑑ですが、本井英主宰は、巻頭カラーグラビアの「2011年100句選」(選:片山由美子)及び、「諸家自選五句」や「励ましの一句」に句が載っております。

 「年代別2011年の収穫」の「六十代の男子」(執筆・櫂未知子氏)において、本井英主宰は、「今年、非常に旺盛な活動をされたお二人」の一人として紹介されており、小諸の「日盛俳句祭」での活動などが紹介されております。

 

 また、「三十・二十・十代」(執筆・山西雅子氏)において、「夏潮」若手集団として、

朴四五人(藤永貴之)氏を「澄んだ写生が特徴」、前北かおる氏を「端正で質感のある描写が鮮やか」、杉原を「シンプルで確かな写生句と同時に、子を詠む父親としての句の展開が楽しみ」と紹介いただいております。

 

 勿論、俳誌「夏潮」として、「全国結社・俳誌・・・一年の動向」に掲載されております。是非、皆様手に取っていただきご覧下さい。

 

角川『俳句』HP

http://www.kadokawagakugei.com/zasshi/haiku-yearbook/

「手紙」第2号_(杉原)

「手紙」第2号

 

「手紙」第2号

 

 「手紙」とは、何れも20代前半の生駒大祐、中山奈々、越智友亮が10月に創刊した同人誌。

第2号からは、20歳の福田若之が参加。

 「人と人を結び付けていく「手紙」」を目指しているようで、各人の評論を「手紙」の形で記しされている。

 第1号の発刊の際に越智は「手紙」の出版目的を下記リンクのように記している。

http://weekly-haiku.blogspot.com/2011/10/blog-post_08.html

 第2号から「原則手渡し」を止め、広く世の人に読んで貰うという方式になったようである。

 今号では、福田さんが西原天気の『けむり』(https://natsushio.com/?p=2267)を、

中山さんが島田刀根夫(波多野爽波門で「落」編集)を、

越智さんが橋本多佳子を、生駒さんが四ツ谷龍さんの「むしめがね」19号(http://dzv00444.dtiblog.com/blog-entry-4211.html)を、

それぞれ読み批評を行っている。

 福田さんを除いて第1号から参加している三人の批評自体は特に「手紙」と言う形式らしさは感じられず、彼らが普段インターネットなどで書いている形態に近いものである。

 先々週ご紹介した「彼方からの手紙」も先週の「スピカ」もそうだが、インターネットを中心に自らの俳句や俳論を発表していた世代が最近紙媒体で己の作品を世に問うケースが目立ってきた。

 一つは、インターネットから総合誌などに彼らが取上げられるようになり紙媒体を出版しても一定の反響が得られる可能性が高いこと。

 二つ目の理由は、じっくり読んで貰うためにはインターネットの世界では限界があり、紙媒体に起し手に取って貰う必要に気付いたこと。

 三つ目の理由として、「出版」という行動に対するハードルが下がっており、費用的な負担も大きく無い選択肢も増えてきている事情もあげておくべきだろう。

 

 今回の彼らの発信が、「手紙」と言うインターネット、メールの普及により我々の世代の生活から遠のきつつある通信形態の名前を取っていることは大変意味深いものである。

 インターネットの世界と「手紙」の関係については、「週刊俳句」において西丘いぶきさんによる素晴しい時評がある。

http://weekly-haiku.blogspot.com/2011/11/53.html

 

 さて、4人の俳句(各7句)から印をつけた句を紹介する

●福田若之「十月のゴッサムシティから」

コウモリ男霧ヲ切リ裂ク切リ刻ム

 (「ゴッサムシティ」は「バッドマン」に出てくる架空の都市)

 

●中山奈々「遊びたし」

水澄みにけり先生と遊びたし

 

●越智友亮「わたらせ渓谷鉄道より」

廃墟か歴史か冬たんぽぽの葉のかたし

 

●生駒大祐「白菜小話」

たそかれは暖簾の如し牡蠣の海

 

それぞれ個性的な俳句だが、個性を出す為に俳句の容量を超えるようなところまで勝負をしている印象。結果として「切れ」に対する意識が余り感じられなかった。

  個人的には、同世代と少し上の世代だけでなく、現在の俳壇や俳壇に関わらない一般の先輩方にも俳句を読んで貰った方が良いと感じている。その為に「結社」という存在は非常に大切であると思っている(人間関係が面倒くさいだけの結社もあるようだが)。

「手紙」問合せ先:letter819@gmail.com

 

『スピカ』第1号_(杉原)

『スピカ』第1号

 

「スピカ」第1号

当コーナーでも何回か紹介させていただいている、インターネットサイト「spica」。その紙媒体としての雑誌が「スピカ」創刊号が発刊されました。「spica」は神野紗希、江渡華子、野口る理が3人で創刊、「俳句を読む」をコンセプトに若手俳人が積極的に連載、座談会などを通じて発言しています。

今回は、インターネットのサイトから飛び出し、紙媒体の形でまとまりました。巻頭に3人の作品も載っていますが、鑑賞、批評を中心とした構成であり読み応えがあり、同年代の面々が色色俳句に対する熱い思いや、それぞれの俳論が述べられており、肯う得る点疑問に思う点が多々あり、勉強になります。

特集は「男性俳句」。「ホトトギス」で虚子が設けた「台所俳句」なる発表欄に端を発してカテゴライズされてきた「女性俳句」と相対する存在として「男性俳句」について考えるというもので、「スピカ」の3名と男性俳人3名の座談会及び、女性俳人2名のそれが開かれていました。更にそれに加え若手の論者が執筆をしています。

ここら辺りの話題の設定の仕方は「さすが」と思わされます。テーマの設定から読者を引き込んでいく手法は非常に優れています。

今回の「男性俳句」(及びその対となる「女性俳句)に関する結論は、それぞれの生き様や感じ方など自由奔放に話が飛んでいき、論の方向性についてはっきりしなかったのが残念でした。

かなり近しい面々が賑やかに行う座談は、「spica」のネットサイトでも大変興味深いコンテンツですが、その接し方のまま紙媒体の「雑誌」上に出てくると、「緩く」感じられてしまうということがあると思います。

 

また、ネットサイトで連載されていたコンテンツの一部が雑誌でも紹介されており、こちらもネットの画面で読んでいたのと比べ、頭の入り方が妙に異なる点が分り面白かったです。

何れにせよ、我々の世代の俳人が一体どのようなことを考えているか、俯瞰するのに丁度良い一冊であるといえます。定価は500円、「spica」のHPから注文できます。

 

巻頭に置かれた3人の句から2句ずつ紹介します。

●江渡華子「けふもまた」

 よけられてパセリゆつくり渇きゆく

 暑中見舞たまりし女子寮のポスト

●神野紗希「先へ先へ」

 校舎光るプールに落ちてゆくときに

 蓮見舟ひとの記憶をゆくときに

●野口る理「みづいろ」

 黄のダリア髪結ふためのゴム咥へ

 見下してみづいろ多き避暑地かな

 

<spicaホームページ>

http://spica819.main.jp/spicabooks/spicabooks-vol1

彼方からの手紙 創刊号_(杉原)

彼方からの手紙 創刊号

ネットプリント「彼方からの手紙」創刊号

 今回も一風変った俳句の表現方法をご紹介いたします。昨今、従来の紙媒体でのアウトプットからネットで作品が発表される機会が増えております。

 更に、その中から新しい発表手段を色色研究されています。

 先週ご紹介した「hi→」は「zine」という新しい紙媒体の使い方でした。

  今回ご紹介するのは、山田露結さんと宮本佳世乃さんが、この度始められた「彼方からの手紙」。

 お二人とも「twitter」などネット媒体で発言が盛んですが、この度セブン・イレブンと富士ゼロックスが開発した「ネットプリント」という方法を用いて俳句通信を作成されました。

 ネットプリントとは下記URLに詳しいのですが、

http://www.printing.ne.jp/

 簡単に述べると、パソコンで作成したドキュメントなどを、セブンイレブンに設置されている複合機から出力するもの。A4サイズ白黒20円/枚、カラー60円/枚。

 

 さて、「彼方からの手紙」を創刊したお二人ですが、山田露結さんは1967年生れ、銀化」所属で鋭い評論をかかれます。12月に発売される『俳コレ』(邑書林)に参加されるそうです。

 

 宮本佳世乃さんは、1974年生れで「炎環」「豆の木」に所属。

今年の「豆の木」賞を受賞されていて共に新進気鋭の俳人として知られています。

 

 今回の俳句通信「彼方からの手紙」

は「手紙」を届ける心地で作品を伝えたい」という趣向で大変暖かい感じでした。

二人の作品から二句ずつ紹介いたします。

 

●山田露結

 彼方からの手紙のやうに木がらし来

 のりかへてまた乗り換へてゆくコート

 

●宮本佳世乃

 鶺鴒のごと手のひらをにじませる

 立冬の鳥の子紙のかたさかな

 

 創刊号の配布は11月15日にて終了しています。次号以降はゲストも登場するようです。

 今後、全てネット配給で、事前登録している会員にメールでパスワードが送られ、一定期間内にコンビニで印刷するという俳句雑誌も近々誕生するでしょうか。

 まだコンビニの複合機では綺麗な製本をすることは難しいかもしれませんが、一定の冊子程度の規模であれば、このようなケースが出てくることも想像できます。

 

山田露結ブログ

Rocket Garden ~露結の庭~

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