課題句「雲の峰」 清水明朗選 摩崖仏の背後に立てり雲の峰 西島糸白 甲斐の国囲むやまなみ雲の峰 人生の果てかも知れず雲の峰 渡辺きくの 饒舌のふと恥づかしき雲の峰 山内博 雲の峰たんこぶ一つ又一つ 辻梓渕 大地なる大壺が吐く雲の峰 本井英
課題句(2013年7月号)
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課題句「雲の峰」 清水明朗選 摩崖仏の背後に立てり雲の峰 西島糸白 甲斐の国囲むやまなみ雲の峰 人生の果てかも知れず雲の峰 渡辺きくの 饒舌のふと恥づかしき雲の峰 山内博 雲の峰たんこぶ一つ又一つ 辻梓渕 大地なる大壺が吐く雲の峰 本井英
課題句 「花菖蒲」 飯田美恵子選 止まりゐる大きな水車菖蒲園 波多野美津子 江戸に佇ち肥後に佇む花菖蒲 葛飾に残る水郷花菖蒲 辻 梓渕 風立てば風に従ひ花菖蒲 園部光代 立ち直る早さや風の花菖蒲 阿久津稜子 一ト谷戸の奥の奥まで菖蒲園 本井英
午后となり厨辺りも暖かく 柳沢木菟 花びらの少しほつれて辛夷かな 耕の終へたるばかり土匂ふ 木戸の猿少し渋りて春の庭 夜桜におしたふされてしまひさう 金子千鶴 春愁の指輪くるりとまはしみる 本間素子 苗札に藍とありまた棉とあり 山内裕子 いつまでもこの籐椅子にすわりたく 田中温子
季題は「暖か」。春三月の季題である。歳時記の項目として眺める時はさして感じないが、いざ一句に詠もうとするととらえどころの無い季題かも知れぬ。〈暖や飴の中から桃太郎 茅舎〉などは、いかにもと感心するが、〈暖かに心にたゝみ聞く言葉 立子〉では、どこまで春の気分があるか、達人過ぎて困却。かといって〈今日よりの暖かさとはなりにけり 年尾〉では、スンナリし過ぎて不安だ。 それに比べると掲出句は、よく判る。現代的でない「厨」。北に向いたような、あまり日が射さぬような「厨」である。そこにも「午后」ともなれば周囲からの「暖か」さが伝わってきて、「ああ、春だなあ」と思えるのである。「厨辺り」の措辞が絶妙である。(本井 英)
寒牡丹女と生れきて老いし 岩本桂子 花びらのうすきが淋し寒牡丹 探梅やここにもありぬときわ荘 早口の関東弁や濃紅梅 梅林に居てふとこころ梅になく 春時雨乾かしてゆく夜風かな 小沢藪柑子 風の角とれて寺町梅日和 皆川和子 瀧長し岩にぶつかり折れ曲がり 藤永貴之 就中歌舞伎座の春待たれけり 町田 良