投稿者「管理人」のアーカイブ

課題句(2016年5月号)

「葉桜」				原 昇平選

葉桜の等間隔に多摩堤		小沢藪柑子
葉桜の映つてゐたるボンネット
葉桜に埋もれるやうに療養所
葉桜に古き橋の名とどめゐる		田島照子
いつよりか雨となりをり葉桜に		青木百舌鳥
葉桜に団地は古りぬ人は老いぬ		本井 英
葉桜となりて鎮もる墓苑かな		山本道子
					

課題句(2016年3月号)

「海胆」           冨田いづみ 選

降る雨に海胆採る舟の居ずなりぬ	藤永貴之
海栗あるく無数の肢をゆらめかし
底の海栗流れ込み来る潮に浮く
父祖の地は壱岐の島とぞ海胆を突く	児玉和子
爺が捕り婆が割る海胆もう出荷		梅岡礼子
傍に籠漂はせ海胆探る		田中 香
海胆の殻積み上げられて作業場に	秋山悦子
					

課題句(2016年3月号)

「水温む」        清水朗風選

水温む心ゆるまぬままにして		藤森壮吉
親水といふに従ひ水温む
月参り欠かさぬ水も温みけり		辻 梓渕
伝道所の尖塔映し水温む		杉原祐之
対峙して比叡伊吹や水温む		本井英
比叡の水やうやく温み僧見舞ふ		岩本桂子					

課題句(2016年2月号)

「実朝忌」          児玉和子

急磴に霰たばしる実朝忌		山内裕子
矢倉抱く山に風あり実朝忌
沖に差す日矢幾本や実朝忌
参道にカフェやバールや実朝忌		小沢藪柑子
春雷の地鳴りの如し実朝忌		波多野美津子
昏みたる空より小雪実朝忌		田中温子
実朝忌みんなみに海展けたる		藤永貴之
					

課題句(2016年1月号)

「寒卵」       山内裕子選

湯治場に売りに来てをる寒卵		山口照男
寒卵飲みて碁仇待ちにけり
心なしか重たきやうな寒卵		河村雅子
喉仏ぐいと呑み込み寒卵		山本道子
農家から神父に届く寒卵		園部光代
ロッキーのやうに飲み込む寒卵		塩川孝治