課題句「枯芝」 永田泰三選 枯芝やたつぷりと陽を溜めてをる 常松ひろし 枯芝を背にくつつけて出て来たる 枯芝をはたいて午後の仕事へと 飯田美恵子 芝枯れて宣教師館跡とのみ 田島照子 枯芝に屈託のなき星条旗 本井英 枯芝に雨の水墨美術館 磯田和子
課題句(2014年12月号)
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課題句「枯芝」 永田泰三選 枯芝やたつぷりと陽を溜めてをる 常松ひろし 枯芝を背にくつつけて出て来たる 枯芝をはたいて午後の仕事へと 飯田美恵子 芝枯れて宣教師館跡とのみ 田島照子 枯芝に屈託のなき星条旗 本井英 枯芝に雨の水墨美術館 磯田和子
課題句「茶の花」 常松ひろし 選 灯るごと茶の花ぷうとふふむかな 冨田いづみ 茶の花の暮れて首もとふと寂し 茶園出しより茶の花の垣づたひ 藤永貴之 茶の花や祖母念入りの旅支度 深谷美智子 茶の木とて長けひろごりて花つけて 本井 英 茶の花を畑の垣と馴染みけり 金子千鶴
課題句「柿」 前北かおる選 柿を剝く夫の手義母の手に似たり 田中幸子 吊し柿母のふるさと遠くなり 晩学の灯下に柿の艶を置く 藤森荘吉 里坊に老師を訪ひぬ柿たわわ 田島照子 落柿舎に投句箱あり柿の秋 飯田美恵子 側溝に柿がごろごろ柿の里 藤永貴之
季題は「初雪」。その冬初めて降る雪である。「一つ目の歯」は乳児に生える「乳歯」。およそ生後半年くらいから歯茎にそれらしい兆候が見え、前歯がプチッと白く現れる。その待ち望んだ「歯」が真っ白に生えた頃、ちょうど「初雪」が降ったのである。草田男に〈万緑の中や吾子の歯生え初むる〉の名吟があるが、それとは違った清潔感のようなものが、この句には漂っている。それは季題「万緑」と「初雪」の違いである。初雪を窓に見ながら暖かい部屋で育つ、乳児とその母の服装やようすまでも想像される。(本井 英)
初雪の頃一つ目の歯の見えて 前北麻里子 日当たりの日に〳〵長く雛の部屋 初雛フエルトの花の髪飾り 寝返りの上手になつて迎春花 鉄幹のうねりくねりて梅白し 河内玲子 捨てみかん埋(イ)けてありけり梅の畑 津田祥子 水筒の紐ひつかかる夏帽子 櫻井茂之 穭田のきれいに枯れて雨斜め 前田なな