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課題句(2014年12月号)

課題句「枯芝」     永田泰三選

枯芝やたつぷりと陽を溜めてをる 常松ひろし
枯芝を背にくつつけて出て来たる

枯芝をはたいて午後の仕事へと  飯田美恵子
芝枯れて宣教師館跡とのみ    田島照子
枯芝に屈託のなき星条旗     本井英
枯芝に雨の水墨美術館      磯田和子

課題句(2014年11月号)

課題句「茶の花」      常松ひろし 選

灯るごと茶の花ぷうとふふむかな  冨田いづみ
茶の花の暮れて首もとふと寂し

茶園出しより茶の花の垣づたひ    藤永貴之     
茶の花や祖母念入りの旅支度     深谷美智子
茶の木とて長けひろごりて花つけて  本井 英
茶の花を畑の垣と馴染みけり     金子千鶴

課題句(2014年10月号)

課題句「柿」       前北かおる選

柿を剝く夫の手義母の手に似たり  田中幸子
吊し柿母のふるさと遠くなり

晩学の灯下に柿の艶を置く     藤森荘吉
里坊に老師を訪ひぬ柿たわわ    田島照子
落柿舎に投句箱あり柿の秋     飯田美恵子
側溝に柿がごろごろ柿の里     藤永貴之

初雪の頃一つ目の歯の見えて 前北麻里子(2015年6月号)

 季題は「初雪」。その冬初めて降る雪である。「一つ目の歯」は乳児に生える「乳歯」。およそ生後半年くらいから歯茎にそれらしい兆候が見え、前歯がプチッと白く現れる。その待ち望んだ「歯」が真っ白に生えた頃、ちょうど「初雪」が降ったのである。草田男に〈万緑の中や吾子の歯生え初むる〉の名吟があるが、それとは違った清潔感のようなものが、この句には漂っている。それは季題「万緑」と「初雪」の違いである。初雪を窓に見ながら暖かい部屋で育つ、乳児とその母の服装やようすまでも想像される。(本井 英)

雑詠(2015年6月号)

初雪の頃一つ目の歯の見えて                      前北麻里子
日当たりの日に〳〵長く雛の部屋
初雛フエルトの花の髪飾り
寝返りの上手になつて迎春花

鉄幹のうねりくねりて梅白し        河内玲子
捨てみかん埋(イ)けてありけり梅の畑   津田祥子
水筒の紐ひつかかる夏帽子         櫻井茂之
穭田のきれいに枯れて雨斜め        前田なな