課題句」カテゴリーアーカイブ

課題句(2023年4月号)

課題句「チューリップ」      冨田いづみ 選


チューリップローカル線の窓一面    磯田和子
一区画赤に尽くしてチューリップ

チューリップ今日の日差しに開き初む  宮田公子
チューリップ終の姿のしどけなく    児玉和子
チューリップ開いて閉ぢて一日かな   小山久米子
チューリップの首刎ねてあり一ト畑   本井 英

課題句(2023年3月号)

課題句 「芹」		原 昌平 選

芹の水この辺はまたクレソンが		藤永貴之
芹の上にわが影落ちぬ蟹現れぬ

芹摘みし手を高く振り芹も見せ		牧野伴枝
野歩きの昼のラーメン芹入れて	塩川孝治
芹生ふる府県境の峠かな		小沢藪柑子
芹の香の真つ只中に芹刻む 		前北かおる					

課題句(2023年2月号)

課題句 「白魚」             田中 香 選

白魚汲む水面の光もろともに		磯田和子
白魚網上げてふるひて十尾ほど	
曳きあげて月のいろなる白魚かな	冨田いづみ
白魚を月の海より掬ひけり		喜多村純子
湯に放つ白魚たちまち色を得し		山内裕子
水掬ふごと白魚を掬ひけり		渡邉美保

課題句(2023年1月号)

課題句「年玉」		青木百舌鳥 選

年玉を両手で受くる子となりぬ		田中 香
歳の順守りて渡すお年玉		
お年玉もらひに降りてきたりけり	前北かおる
年玉にはなやぐ時代なつかしく		岩本桂子
いと小さき手にベッドよりお年玉	岡本春子
お年玉遣るも貰ふも目を細め		磯田和子

課題句(2022年12月号)

課題句「枯蔦」            岡部健二 選

廃工場覆ひて蔦の枯れてをり		児玉和子
枯蔦やこの家かつて荒物屋

猫墜ちる壁の枯蔦もろともに		井上 基
枯蔦や連絡つかぬ友のこと		小川美津子
枯蔦の生きてをるとも見えぬかな	本井 英
石垣の蔦の枯れたる歴史館		永 豪敏