「茗荷の花」 久保北風子選 この窪地塔頭跡てふ花茗荷 山本道子 円覚寺柏槙下に花茗荷 かきわけて茗荷の花や猫の道 原 水和実 茗荷の花遺品整理に通ふ日々 黒田冥柯 通り雨茗荷の花を濡らしけり 山口照男 井戸端の水掛かりたる花茗荷 磯田和子
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「茗荷の花」 久保北風子選 この窪地塔頭跡てふ花茗荷 山本道子 円覚寺柏槙下に花茗荷 かきわけて茗荷の花や猫の道 原 水和実 茗荷の花遺品整理に通ふ日々 黒田冥柯 通り雨茗荷の花を濡らしけり 山口照男 井戸端の水掛かりたる花茗荷 磯田和子
「キャンプ」 塩川孝治 選 酒よりもコーヒー愉しキャンプ場 小沢藪柑子 一人用テント二タ 張りキャンプかな 校庭にキャンプの夜や親子会 磯田和子 寝袋の中より寝息キャンプ村 飯田美恵子 明け方の沢音激しキャンプ場 坂 廣子 早起きの灯の点きそむるキャンプかな 本井 英
「蠅」 原 昇平 選 蠅打てばたちまち鯉に呑まれけり 青木百舌鳥 打ちそこねたる蠅小首傾げをり 蠅追うてゆると進める水牛車 冨田いづみ 蠅の来て絵皿の縁を歩くかな 永田泰三 山頂の祠の蠅の清浄に 本井 英 磯菜屑に蠅のたかれる浜の昼 山内裕子
「武者人形」 渡邉美保 選 紋所は軍配団扇武具飾る 児玉和子 武具飾る高祖父よりの伝来と 殿様の大床なりし武具飾る 岩本桂子 面 頰は今度も出さず武具飾る 青木百舌鳥 踏ん張れる足むつちりと武者人形 前田なな 武者人形女系一家に男の子 本井 英
課題句「チューリップ」 冨田いづみ 選 チューリップローカル線の窓一面 磯田和子 一区画赤に尽くしてチューリップ チューリップ今日の日差しに開き初む 宮田公子 チューリップ終の姿のしどけなく 児玉和子 チューリップ開いて閉ぢて一日かな 小山久米子 チューリップの首刎ねてあり一ト畑 本井 英