【2-3】選句結果~3月30日分題詠でGO!「春灯」「亀鳴く」

【2-3】選句結果~3月30日分題詠でGO!「春灯」「亀鳴く」

お待たせいたしました。各位の選句が揃いましたので発表します。

逗子の後選は後日まとめて「汐まねき」に掲載いたしますので、ご覧下さい。

なお、特選句の講評が間に合わなかった方は、適宜コメント欄を使って追記下さい。

また、その他の方も、遅れての選句や、句の講評、諸々の感想については当欄のコメント欄を御使い下さい

(承認制のため、表示までタイムラグがある点ご承知おきください)。

 

選句結果~3月30日お題「春灯」「亀鳴く」

照子選
送別の寄書色紙春灯下 三佳
春灯下学用品に名付けして 三佳
◎振り子振る柱時計や亀鳴ける かおる
春灯独りに慣れてしまひけり 美穂
亀鳴くや政争民を置去りに 祐之
 ・
祐之選
歳を数えること止めて亀の鳴く 美穂
春灯下学用品に名付けして 三佳
振り子振る柱時計や亀鳴ける かおる
◎春灯聖杯高く掲げらる 照子
春灯や厨子のうちなる飛鳥仏 照子
 ・
かおる選
 亀鳴くや浄瑠璃寺の暮れ時に 美穂
送別の寄書色紙春灯下 三佳
春灯下学用品に名付けして 三佳
川岸に並ぶ遊郭春燈 祐之
◎春灯や厨子のうちなる飛鳥仏 照子
和子選
雪原に窓を溢るる春灯 かおる
亀鳴くや日課としたるこのベンチ 三佳
亀鳴くや浄瑠璃寺の暮れ時に 美穂
漁りの春の灯のうるむなり かおる
◎春灯や厨子のうちなる飛鳥仏 照子
明朗選
送別の寄書色紙春灯下 三佳
亀鳴くやツァラトゥストラ読みをれば 照子
春灯独りに慣れてしまひけり 美穂
春灯や厨子のうちなる飛鳥仏 照子
亀鳴いて生命保険掛け直す 祐之
 ・
三佳選
春の灯や迷路めく路地神楽坂 明朗
対岸の中州のものの春燈し 祐之
◎花嫁の俯きがちや春灯 和子
春灯や厨子のうちなる飛鳥仏 照子
亀の背に乗りたる亀の鳴いてをり 照子
 ・
美穂選
亀鳴くやツァラトゥストラ読みをれば 照子
振り子振る柱時計や亀鳴ける かおる
春灯下潮騒を聞く稽古会 明朗
花嫁の俯きがちや春灯 和子
◎漁りの春の灯のうるむなり かおる

各位の特選句については 以下の通りです。

<照子特選>
◎振り子振る柱時計や亀鳴ける かおる
→夜の書斎、振り子時計のかすかな音だけ、庭の池で鳴くのは亀だろうか。
<祐之特選>
◎春灯聖杯高く掲げらる 照子
→季題は「春灯」。艶やかな灯の下に成敗が高く掲げられていた。
教会の祭壇なんかでしょうか。イースターも近く、気分が春めいてきました。
<かおる特選>
◎春灯や厨子のうちなる飛鳥仏 照子
→厨子に立てられた灯明とそれに照らされた仏像、そして背後からかぶさる闇とが静かに描かれていて良いと思いました。
<和子特選>
◎春灯や厨子のうちなる飛鳥仏 照子
→奈良の古寺に伝わる止利仏師作の御仏か。シャープな面差しにやわらかな春灯の陰影がゆれている。
悠久の時と、めぐりくる春という季節。平和であることを祈ります。
<三佳特選>
◎花嫁の俯きがちや春灯 和子
→昨今は「婚礼は花嫁が主役、花嫁が主導」という常識が浸透しつつあり、俯きがちな花嫁などを目にすることは稀有かもしれない。
 古き良き時代の結婚式の情景が、「春灯」というおぼろげな、儚げな、そして暖かい季題とともに情況として思い起こされた。
<美穂特選>
◎漁りの春の灯のうるむなり かおる
→春灯は「どことなく華やいで見える」と歳時記にありますが、春の灯が明るく華やいで見えるのは、寒い冬が終り、だんだん暖かくなってきているのを体で感じ取っていることが、灯の明るさの感じ方にも作用しているから、
もう一つは大気中の湿度が上がって来ていて、灯が少しぼやけて明るさの届く範囲が広がったように感じられるから、だと思います。
そんな春灯の風情が出ている句で、「うるむなり」という措辞が良いと思いました。

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