雑詠(2011年10月号)

歯応へのとほりに歯形玉林檎	前北かおる
苦瓜や居着きて婿にをさまりて
熱燗や女が好きでしくじりて
光ファイバーのほどけて花芒

若葉山へと神官の列進む 永田泰三 月島のたひらを歩く暑さかな 冨田いづみ 片陰の身幅がほどを添うてゆく 岩本桂子 牛蛙間近に鳴いてレストラン 江本由紀子