月命日カーネーションを束にして    羽重田民江

 季題は「カーネーション」。母の日の贈り物として使われることが多いが、初夏の花としてもさっぱりとして好感の溢れる花である。「月命日」は毎月ごとの「命日」。毎月、墓参を欠かさぬ人もあるし、仏壇で懇ろに経を読むという人もある。

 「仏様」の生前、「母の日」には必ず「カーネーション」の贈り物を欠かさなかった作者。月命日の「花」には生前を思い出して、同じ「カーネーション」の花束を供花として捧げたというのである。作者にとって実の母であったのか、それとも義理の母であったのかは分からないが、しみじみとした「深い情」が伝わってくる。(本井 英)

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