「鳳仙花」 今井舞々選 兄妹別離の昔鳳仙花 田尻くがを 鳳仙花妹が弾くや卓袱台に 防空壕ありたる土に鳳仙花 かくれんぼ屈めば飛んで鳳仙花 三上朋子 蜑が家のトロ箱に咲く鳳仙花 山口照男 坂少し降りて着く宿鳳仙花 梶原一美 鳳仙花宇宙と交信始めたる 浦上ひづる
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「鳳仙花」 今井舞々選 兄妹別離の昔鳳仙花 田尻くがを 鳳仙花妹が弾くや卓袱台に 防空壕ありたる土に鳳仙花 かくれんぼ屈めば飛んで鳳仙花 三上朋子 蜑が家のトロ箱に咲く鳳仙花 山口照男 坂少し降りて着く宿鳳仙花 梶原一美 鳳仙花宇宙と交信始めたる 浦上ひづる 「天道虫」 町田 良選 開けし掌に天道虫と青き草 青木百舌鳥 てんと虫だまし見て幸せさうで 天道虫絵本の野原横切りけり 津田祥子 星数ふ天道虫を掌にのせて 井上 基 てんとむし日輪小さくやどしたる 本井 英 日の中へ天道虫の消えにけり 園部光代 「網戸」 前北かおる選
網戸より山の冷気の自づから 町田良
潮風と潮騒入るる網戸かな
戸を寄せて川風網戸より入るる 木下典子
三線(サンシン)の音の聞こえ来る網戸かな 冨田いづみ
遠ざかり色の薄まる網戸かな 梅岡礼子
灯を消して網戸の風をほしいまま 常松ひろし 「筍」 小沢藪柑子 選 親竹のそばをはなれず筍おふ 田中金太郎 円錐の頭もたげて筍おふ 竹の子の未来断ちたる鍬の先 山口照男 京筍紙に包(クル)まれ籠に入り 中島富美子 筍そこここ呉羽山縦走路 本井 英 筍や社宅ぐらしの三十年 田中温子 「蝌蚪」 辻 梓渕 日向側日影側にも蝌蚪の紐 小沢藪柑子 おのがじし影をなしつつ蛙の子 蛙子の尾をまつすぐに休み居り 藤永貴之 蝌蚪の尾の抗ふ流れありにけり 山内裕子 我が影に阿鼻叫喚や蝌蚪の群れ 永田泰三 ちろちろと影の忙しき蝌蚪の水 前田なな |
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